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電池系研究グループ
高エネルギー密度を有する全固体リチウムイオン二次電池の開発
Development of All-Solid-State Lithium ion Secondary Battery with High Energy Density
研究目的
電気自動車の普及・発展にむけた高性能電池を開発することが研究目的です.その電気自動車用の二次電池には,より長持ちする・寿命が長い・安全である・大きなパワーが出せる・低価格等の性能が必要となることから,
- 同じ重さ、同じ大きさでより長持ちする(1回の充電で長く走れる)
- 安全かつ環境負荷の少ない電池(事故等にあっても、発火したりしない)
- 一般的な材料から電池を作る(レアメタル等を使用しない)
- より低コスト(電気自動車をより安く)
といった特長をもつ電池の開発を行います.

アプローチ・方法
- 次世代リチウムイオン二次電池正極材料の開発
- 従来の3倍以上の性能を持った正極材料を合成します.
- レアメタルを使用しない材料を目指しており,低コスト化にもつながります.
- 全固体二次電池に向けた固体電解質材料の開発および選定
- 現在は有機電解液が使用されており,発煙発火の危険性を孕んでいます.これを不燃性の無機固体電解質に置き換えることで,全固体二次電池とし,大型で安全な電池を実現できます.
- 両極および電解質材料薄膜の作製
- 正極・電解質・負極の薄膜をスプレー熱分解法により作製します.
- 積層型の電池となり,電池の小型・軽量化が可能となります.
- 簡便な電池作製法により低コスト化につながります.
- 電池材料の反応性の評価と電池特性の評価・界面制御
- 電池の理論的な性能を現実に発揮させるための,電池構造を検討します.
- それぞれの材料の間で,リチウムイオンがスムーズに移動できる環境を作り出す技術(構造)を開発します.
意義
電気自動車用電池に必要とされる性能を満たすことができれば,現在のガソリン車と同じくらい使い勝手が良く,環境負荷が非常に小さい車を,低価格で普及させることができるはずです.
社会への波及効果
この研究成果が実現されれば,高性能且つ低コストな電気自動車の普及につながるはずです.大型二次電池なので,消費電力平準化等への蓄電池としての使用も可能であり,発電所の余剰電力の有効利用といった省エネルギーに貢献できます.

研究グループのメンバー
本グループの統括は冨田靖正です.
氏名 | 所属学科 | 専門分野 |
---|---|---|
冨田靖正 | 物質工学科 | 無機機能性材料・固体イオニクス |
奥谷昌之 | 物質工学科 | 無機材料・薄膜 |
河野芳海 | 物質工学科 | 光機能化学・無機多孔質体 |