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電池系研究グループ


高エネルギー密度を有する全固体リチウムイオン二次電池の開発
Development of All-Solid-State Lithium ion Secondary Battery with High Energy Density


研究目的

電気自動車の普及・発展にむけた高性能電池を開発することが研究目的です.その電気自動車用の二次電池には,より長持ちする・寿命が長い・安全である・大きなパワーが出せる・低価格等の性能が必要となることから,

  1. 同じ重さ、同じ大きさでより長持ちする(1回の充電で長く走れる)
  2. 安全かつ環境負荷の少ない電池(事故等にあっても、発火したりしない)
  3. 一般的な材料から電池を作る(レアメタル等を使用しない)
  4. より低コスト(電気自動車をより安く)

といった特長をもつ電池の開発を行います.

電池開発の概要

アプローチ・方法

  1. 次世代リチウムイオン二次電池正極材料の開発
    薄膜作成装置の概略図
    正極材料の外観
    • 従来の3倍以上の性能を持った正極材料を合成します.
    • レアメタルを使用しない材料を目指しており,低コスト化にもつながります.
  2. 全固体二次電池に向けた固体電解質材料の開発および選定
    • 現在は有機電解液が使用されており,発煙発火の危険性を孕んでいます.これを不燃性の無機固体電解質に置き換えることで,全固体二次電池とし,大型で安全な電池を実現できます.
  3. 両極および電解質材料薄膜の作製
    • 正極・電解質・負極の薄膜をスプレー熱分解法により作製します.
    • 積層型の電池となり,電池の小型・軽量化が可能となります.
    • 簡便な電池作製法により低コスト化につながります.
  4. 電池材料の反応性の評価と電池特性の評価・界面制御
    • 電池の理論的な性能を現実に発揮させるための,電池構造を検討します.
    • それぞれの材料の間で,リチウムイオンがスムーズに移動できる環境を作り出す技術(構造)を開発します.

意義

電気自動車用電池に必要とされる性能を満たすことができれば,現在のガソリン車と同じくらい使い勝手が良く,環境負荷が非常に小さい車を,低価格で普及させることができるはずです.

社会への波及効果

この研究成果が実現されれば,高性能且つ低コストな電気自動車の普及につながるはずです.大型二次電池なので,消費電力平準化等への蓄電池としての使用も可能であり,発電所の余剰電力の有効利用といった省エネルギーに貢献できます.

電池開発の目標

研究グループのメンバー

本グループの統括は冨田靖正です.

氏名所属学科専門分野
冨田靖正 物質工学科無機機能性材料・固体イオニクス
奥谷昌之 物質工学科無機材料・薄膜
河野芳海 物質工学科光機能化学・無機多孔質体