研究室概要

研究の関心とアプローチ

「知」の中身 私たちの研究室では,人の「知」のあり方に着目し,人の認知的コミュニケーションの解析とインタラクション構造の解明および人に親和的な情報システムの開発を目指した研究を行っています.

この研究は,次のような研究領域として位置づけられており,本研究室ではそれぞれの領域において卓越した成果を人の認知プロセスに対する洞察に基づくオリジナリティ溢れるアプローチから産み出しています.


  • 人―エージェント(ロボット)間における相互行為系に関する基礎研究
    (Human-Agent Interaction Studies)

  • 他者の意図認知のための身体的インタラクションに関する基礎研究
    (Human Communication Studies)

  • 多人数対話における視線と発話タイミングに関する応用研究/自然な環境共有を実現するメディアコミュニケーションシステムの開発
    (Real World Oriented Media Design)

これらの研究を通して得られた知見や成果物は,認知科学や人工知能,ヒューマンインタフェースなどの分野におけるさまざまな研究課題の解決に寄与するとともに,最終的には『私たち人が “人らしく”生きることとはどういうことなのか』という問題に対する一筋の光明を見出す糸口になるのではないかと考えています.

テクノロジーの発展は今後ますます加速していくと予想される一方で,その発展の速さに比べれば人の認知能力・身体能力の進化は止まっているといっても過言ではありません.このような急速な変化の中で,『人が“人らしく”生きる』ためには,テクノロジーと人との関係をしっかりと理解し,この関係を適切にデザインしていく必要があるはずです.

竹内研究室(認知的コミュニケーション研究室)では,人につねに焦点を合わせて人とテクノロジーとの関係に注目し,人の「知」をテクノロジーによってより豊かにすることを通して『人が“人らしく”生きる』ことを希求していきます.

現在進行中の主な研究プロジェクト

対話知能学

この研究プロジェクト(文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究(領域提案型)の令和元年〜5度採択課題「人間機械共生社会を目指した対話知能システム学」)の公募研究班(A03班)として「周囲の人たちへの配慮を伴った公共場面でのロボットの行動デザイン」という研究テーマを立てて,人間の認知過程(特に他者の心の状態の推定)に基づく社会的な行動生成に関するモデルの構築およびその実証に取り組んでいます.

メタ対話を誘発するレビュー・シグナルの生起過程と機能のモデル化

この研究プロジェクトは,NTTの研究所および名古屋大学との産学共同研究としてタイトルの通りの取り組みを行っています.人と対話システム・ロボットとが互いの誤解や意味の齟齬を会話の中で自然に検出・修正し,円滑な対話を実現するための機構を作ろうとしています.

おしらせ

  • 3/5 生駒響君(M1)が執筆した論文の採録通知が届きました.
    生駒響, 竹内勇剛: テレプレゼンスアバターロボットの自律的な共同注視による他者の願望認知, ヒューマンインタフェース学会論文誌, Vol.26, No.2 (2024).