竹内勇剛 (TAKEUCHI, Yugo)  Ph.D.

竹内近影


静岡大学
  情報学部 情報科学科,教授
  創造科学技術大学院 創造科学技術研究部(サブコアメンバー)

自己紹介

専門分野

  • 認知科学
    • 「人らしさ」の認知
    • 対話コミュニケーション
    • メディアコミュニケーション
  • 人工知能
    • Human-Agent Interaction (HAI)
    • 自然言語理解
  • ヒューマンインタフェース/HCI
    • 実世界指向インタラクション
    • ナチュラルインタフェース
    • 遠隔対話システム

近頃の雑感

月日の遷ろいは早いもので,私がかつて在籍していたATR知能映像通信研究所から静岡大学に着任してからすでに10年が経ち,その間に私のもとから30人余りの学生らが社会に巣立っていきました.そしてこの認知的コミュニケーションワークショップも今回で9回目となり,これまでに多くの新進気鋭の若手の研究者の方々に学外よりご参加頂いてきています.そういった方々もかつては大学院生だったり,研究機関に初めて職を得たばかりだったりの方だったりしましたが,今ではその分野を牽引していく中心人物になられたりしています.

こういった成長の真っ只中にある若い人たちが一堂に集うこの認知的コミュニケーションワークショップは,多少手前味噌な言い方ですが,次の時代の学術界,産業界を先導し,将来を嘱望される人材のインキュベーターとしての役割を担っているのかもしれません.もちろん私自身もその様子をただ喜ばしく眺めているだけでなく,自分自身もこのワークショップに参加する1人として,常に「成長者」であろうと日々研鑽に励んでいるつもりです(が,目に見えて成長しているはメタボな腹回りだけではないかと言われるのが怖いです).

先日,現在委員長(主査)を務めている電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)が今後取り組んでいくべき研究のロードマップを作成し提出してほしいとの依頼を学会より受け,私はヒューマンコミュニケーション研究の行き着く方向は「ホスピタリティ」にあるだろうと考えました.日本語で言うと「もてなし」です.

人間は鋭い牙や爪もなく,決して強靭な肉体を有しているわけでもないにもかかわらず,「知」を蓄積し,さらに新しい「知」を創出し,それらの「知」を伝え合いながら過酷な自然の生存競争の中を生き抜いてきました.言い換えれば,「知」をもつことによって人間は今日の地位を築いてきたのです.ヒューマンコミュニケーションとはまさにこの「知」のダイナミクスです.人間の進化の過程において,「知」は厳しい自然の脅威の中でサバイブするために利用され,それがある程度達成されると混沌とした人間社会を再びサバイブするために活用されるようになりました.ここまでは自分という個体を自分の周囲の環境の中で生存させるためのヒューマンコミュニケーションでした.私はこれから検討されるべきヒューマンコミュニケーション研究の問題は,自分という主体と関わり合う対象となる客体との関係の捉え方に関して議論されるのではないと考えています.極めて論理性の乏しいモヤモヤとした考えなのですが,仏教的観念と言うべきか,常に遷ろいつつある世界の中で自分という存在は世の中のすべてが結びついた関係(因縁)の中の”相”であり,同時に他者となる存在も同じように関係の中に生じた”相”に過ぎないという「空」(「無」ではない)のパースペクティブが必要になるのではないかと思っています.このパースペクティブは,自分や他人という個体を固定的な実体として捉える現在において一般的な考え方に抗するものです.

もう1つ加えて言えば,コミュニケーション研究は”互いの違い(差)を埋める活動”を研究するものではない,と最近思うようになりました.生きているということは変化しつつあることであり,変化こそが違い(差)を作り,その違いが再び変化を作っているはずです.つまりもしコミュニケーションが”互いの違い(差)を埋める活動”であるとすれば,コミュニケーションは人間が生きるための活動ではなく全く反対で変化を無くす,すなわち「無」の世界への歩みとなってしまうのではないかと思うのです.

茶の湯の世界の言葉である”一期一会”とは,世の中は変化が絶えない無常であることを受け入れれば同じ人であっても次に会うときは互いに違う人であるからこそ誠心誠意人をもてなすのだ,という考えと私は心得ています.すると生き残るための「知」のダイナミクスの先にあるコミュニケーションとは一体なんだろうと考えると,自分という一瞬の”相”と他人という同じく一瞬の”相”を関係づけるための(否定的な意味ではない本来の意味としての)刹那的な活動に行き着くのではないか,と思うわけです.つまり「もてなし」を為すことが人間のコミュニケーションそのものであり,コミュニケーション研究とは実はそういうことなんじゃないか,と40歳,不惑の歳に至って思い(惑い)始めました.

(認知的コミュニケーションワークショップ2010予稿集の「ごあいさつ」より抜粋)


学歴

1988年3月茗溪学園高等学校(茨城県) 卒業
1988年4月宇都宮大学工学部情報工学科 入学
1992年3月同 卒業
1992年4月宇都宮大学大学院工学研究科情報工学専攻博士前期課程 入学
1994年3月同 修了 修士(工学)
1994年4月名古屋大学大学院人間情報学研究科社会情報学専攻認知情報論講座博士前期課程 入学
1996年3月同 修了 修士(学術)
1996年4月同 博士後期課程 入学
1999年3月同 修了 博士(学術)

職歴

1996年11月(株)ATR知能映像通信研究所第4研究室 研修研究員
1999年4月同 客員研究員(ポスドク)
2001年4月静岡大学情報学部情報科学科 講師
2002年4月(株)国際電気通信基礎技術研究所(メディア情報科学研究所) 非常勤客員研究員(〜2004年3月)
2004年4月同 助教授
2006年4月静岡大学創造科学技術大学院 助教授(情報学部は兼担)
2007年4月同 准教授
2013年4月大学院情報学研究科 准教授(創造科学技術大学院は兼担/サブコアメンバー)
2014年4月同 教授

研究業績

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研究活動以外の活動

教育活動

担当している授業科目

学部共通科目「情報学方法論演習」(2年後期:分担)
専門科目(科学科)「認知科学」(1年後期)
専門科目(CS/IS)「人間情報処理論」(3年前期)
専門科目(CS/IS)「情報学応用論および演習」(3年前期:分担)
学際科目(情工)「ことば」(3年前期:分担)
大学院科目(情研)「認知科学論」(M1前期:分担)
大学院科目(創造)「ヒューマンインタフェース論」(D:分担)

オフィスアワー

できるだけ事前に電子メール等でアポイントメントをとってからにしてください.以下の表はあくまでも目安です.実際は大学の運営業務や会議,出張等で時間がとれないことがあります.

 月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
1,2時限目   
3,4時限目   
5,6時限目  
7,8時限目   
9,10時限目  

大学運営活動

学内委員会(H25)

  • (情)総務委員会(学部長補佐)
  • 学習ポートフォリオ運用WG(総務委員会)
  • ITソリューション室(総務委員会)
  • 施設マネジメントWG(総務委員会)
  • 将来構想委員会
  •  ほか

学会等の活動

学会運営(常任)

カンファレンス運営(単年の担当を除く)

  • HAIシンポジウム2016 シンポジウム委員長
  • International Conference on HAI Driving Committee
  • HCGシンポジウム2016 運営委員長

その他の活動


連絡先

勤務先住所 〒432-8011 静岡県浜松市中区城北3-5-1
電話番号053 (478) 1455
ファクス同上
E-mailtakeuchi [at] inf.shizuoka.ac.jp